【9月9日 AFP】深刻な干ばつに見舞われているオーストラリアでは、8月に広範囲にわたって大雨が降ったにもかかわらず、農家が直面する苦境はしばらく続く見通しであることが分かった。当局が明らかにした。

 豪東部では長引く干ばつで牧草が枯れ、一部の牧畜業者らは家畜を売ったり、銃で殺処分したりせざるを得ない状況に追い込まれている。

 ニューサウスウェールズ(New South Wales)州政府が7日に発表した四半期報告によると、同州では先月、広域で大量の降雨があった。同州第一次産業省の農業・気候専門家アンソニー・クラーク(Anthony Clark)氏はその中で「待ち望まれた降雨によって、農地の状態に前向きな展望が持てる地域もある」とした一方、「干ばつは終結から程遠い」と結論付けた。

 ニューサウスウェールズ州の99.8%では今後も干ばつが続く見通しで、隣接するクイーンズランド(Queensland)州についても先週、干ばつ被害に見舞われた地域は57.4%に及ぶとの発表があった。

 オーストラリアで干ばつは珍しいことではないものの、乾燥状態の深刻さとその長さのため、今回の干ばつで同国東部の農家らは試練に直面させられている。(c)AFP