【9月9日 AFP】南米ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領に対するクーデター計画について同国軍の元司令官と米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)政権の当局者が秘密裡に協議したが、最終的に米国は支援を行わないことになったと米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が8日報じた。

 ニューヨーク・タイムズは、秘密裏に会談した複数の米当局者とベネズエラの元軍司令官1人の話として、クーデター計画は棚上げになったとしている。 

 ベネズエラが深刻な経済・人道危機に陥り、暴力的なデモが起きたり、国民が相次いで近隣諸国に流出したりする中、トランプ大統領はマドゥロ氏の左派政権を痛烈に批判してきた。8月4日には首都カラカスで演説していたマドゥロ大統領の近くで爆発物を搭載した複数のドローンが爆発する暗殺未遂事件が起きている。マドゥロ氏は米国とコロンビア、国内の反対勢力の仕業だと主張している。

 米国務省はこの事件を「政治的暴力」と非難する一方、ベネズエラ当局による恣意(しい)的な拘束や容疑者らに対する自白の強要を批判した。ジョン・ボルトン(John Bolton)米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)はこの事件について、「米国は無関係」と主張していた。

 2017年8月には、トランプ大統領が米国によるベネズエラ進攻の可能性について側近に尋ねたと報じられた。トランプ氏はこの頃、ベネズエラの混乱の収拾に向けて「軍事的選択肢」も排除しないと公言していた。(c)AFP