【9月8日 AFP】イラク南部バスラ(Basra)で7日、劣悪な公共サービスに対する抗議デモの参加者がイラン領事館に放火した。イラク議会は一連の政情不安をめぐり8日に緊急会議を開く予定で、放火は会議が招集された後に起こった。

 首都バグダッドでも、厳重な警備が敷かれた旧米軍管轄区「グリーンゾーン(Green Zone)」に何者かが砲弾を撃ち込んだ。連邦議会や政府庁舎、米大使館などのある同区域への攻撃は異例。この砲撃で死傷者は出ていない。

 バスラでは、汚染された水を飲んで3万人が入院したことを受けて住民の間に怒りが広がった。抗議デモは4日から拡大し、これまでに行政府庁舎や、政党、民兵組織の事務所が放火されている。バスラ県人権評議会のメフディ・タミミ(Mehdi al-Tamimi)議長によると、同日以降、少なくとも9人のデモ参加者が治安部隊との衝突で死亡した。

 AFPのカメラマンによれば、7日のデモでは数千人がイラン領事館前に集結。数百人が領事館を襲って火を放った。

 同領事館の報道官は、すべての外交官と職員が襲撃前に退避していたため、領事館側に負傷者は出なかったと発表した。

 イランはイラク国内に強い影響力があり、6日に放火された民兵組織と政党の多くは、イランと関係が近いことで知られている。(c)AFP