【9月8日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は7日、中国から米国に輸入されるすべての商品に関税をかける「準備ができている」と述べた。通商関係をめぐる中国政府との緊張を一層高める発言だ。

 米国はすでに中国からの輸入品500億ドル(約5兆6000億円)相当に懲罰的関税を課しているほか、トランプ大統領によれば、さらに2000億ドル(約22兆2000億円)相当に対する関税が「準備中」で、「間もなく発動できる」状態にある。

 だが同大統領は米ノースダコタ州ファーゴ(Fargo)に向かう際、同行した記者らに対し、「それだけなく、私が望めばさらに2670億ドル(約29兆6000億円)分を即時発動する準備ができている」と発言。実行されれば、実質的にすべての中国からの輸入品が課税対象となる規模で、大統領は「それで状況が一変する」と語った。

 米国家経済会議(NEC)のラリー・クドロー(Larry Kudlow)委員長は同日、これに先立ち、貿易摩擦緩和に向けた中国との協議は継続中で、解決策が見つかることを期待していると述べており、トランプ氏の言葉は同委員長の抑制的な発言と矛盾する。

 2000億ドル分の追加関税をめぐる意見公募期間は6日に終了しているため、トランプ大統領はこれを直ちに発動できる。(c)AFP