【9月8日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)は7日、男子シングルス準決勝が行われ、大会第3シードのファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro、アルゼンチン)は、第1シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が第2セット終了後に棄権したため、決勝へ駒を進めた。

  2009年大会王者のデルポトロが7-6(7-3)、6-2と2セットを連取すると、ナダルは膝の負傷のため棄権を申し出た。

 デルポトロは9日の決勝で、2度の優勝を誇る第6シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)と第21シードの錦織圭(Kei Nishikori)の勝者と対戦する。

 ナダルは「棄権は非常にイヤなものだ。テニスは1人の選手が片方のコートに立って、もう1人が逆側に立ってプレーするものだが、きょうはそういう試合にはならなかった」と話した。

 全米では自身4回目、四大大会(グランドスラム)通算では18回目の優勝を目指したナダルだが、ここまで勝ち上がってくるのに16時間近くを費やしており、そのダメージは確実に蓄積されていた。本人も、第1セットの第4ゲームにはすでに負傷した感覚があったと話している。

 キャリアを通じて膝のけがに悩まされてきたナダルは、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2018)準々決勝のマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)戦でも負傷棄権を強いられていた。

 対するデルポトロは「もちろん最高の勝ち方ではない。最高のファイターであるラファとの試合は大好きだし、彼が苦しむところは見たくない。彼のことは残念だけど、自分がベストを尽くしたことには満足している」とコメントした。

 29歳となったデルポトロは、これで自身2回目のグランドスラム決勝進出。ナダル戦6勝目を挙げたが、これはすべてハードコートでの勝利となっている。

「決勝にまた出られるのは、僕にとってすごく大きな意味がある。一番好きな大会で、またグランドスラムの決勝を戦えるとは思っていなかった。ここにはキャリア最大の思い出がある。2009年、ラファと(決勝で対戦した)ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)に勝てた大会だ。あのときの自分は子供だった。今はずいぶん年を取ったよ」

 試合は第1セットの第7ゲームにナダルが早くも右膝にテーピングを巻き、苦しい状況かに見えたが、それでもデルポトロのサービングフォーザセットとなった第10ゲームでは2本のセットポイントをしのいで果敢にブレークした。しかし迎えたタイブレークはデルポトロが一気に奪い、ショットメークが冴えていたデルポトロが69分で最初のセットを獲得した。

 第2セットも、ナダルは第3ゲーム終了後にメディカルタイムアウトを取り、再び膝にテーピングを巻いた。ここで勝機を感じ取ったデルポトロは、足が重いナダルのサービスゲームをブレークしてゲームカウントを3-1にすると、再度ブレークを奪って5-2。そしてデルポトロの第2セット獲得が決まったところで、ナダルが棄権を申し出た。(c)AFP