【9月9日 CNS】大学時代に建築学を学んだ王恩傑(Wang Enjie)さんは、1992年生まれの広州人だ。大学卒業後、どういう縁か、「不動産購入コンサルタント」となり、人々に不動産購入のコツを教えている。顧客が持ち込む不動産購入に関わる相談は、1時間800元(約1万3000円)、そのほかのサービスをセットで求めた場合は9000元(約14万6000円)だ。

「不動産購入コンサルタント」の仕事はその名のとおり、買う側の立場に立って、どのように良い物件を選べばよいかを助言する職業だ。北京、上海など中国の大都市を問わずまだ新しい職業と言える。

 不動産購入コンサルタントになったのは、王さんの家族が数年前、不動産売買でだまされたことがきっかけだ。不動産仲介業者がより高い手数料を獲得するために売値を操作し、10万元(約160万円)を超える差額を持って行った。加えて、仲介業者が紹介した売り主が、さまざまな理由を付けて取引を5か月引き伸ばしたため、売買コストはさらに高くなった。

 当時の王さんは、もし「不動産購入コンサルタント」のような人がいて、購入前にリスク回避の方法や権利を守るための専門的な助言をしてくれたら、手間を省けただけでなく余計な金銭を支払わずに済んだのに、と思ったという。

 大学の専門は建築学で、広州(Guangzhou)の複数の設計院で実習を経験したことのある王さんは、不動産の理論や知識に加え実際の経験もあり、「人に頼るよりは、自分でやったほうが良い」という考え、16年末に不動産購入コンサルタントになった。

■家の買い方教える新職業

 1990年代生まれの「90後」と言われる起業家群の一人として、王さんは不動産購入コンサルタントを職業として選んだ。学生時代に学んだ建築学の知識をベースに、不動産政策と環境情報に注目、不動産仲介業者や業界内の専門家などとの交流・学習を深め、最新の市場の状況について学んだ。同時に、広州市内の300~400件の不動産物件の現地に赴き、物件の品質や建物管理、関連サービスなどを実際に自分の目で確かめた。

 顧客に提供するサービスをパッケージ化するため、王さんは顧客との仕事を始めるに当たって、顧客の家族全員に参加してもらうことにした。効率的に家族全員のニーズをつかんだ上で、最適な購入案を提供する。具体的には、価格、所在地、間取り、顧客ニーズをもとにしている。