【9月7日 AFP】イタリアの元首相で、サッカー・セリエAのACミラン(AC Milan)のオーナーを30年以上にわたって務めたシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)氏が、セリエCのSSモンツァ(SS Monza 1912)を買収してサッカー界に戻ってくる可能性があると、6日にイタリアメディアが報じた。

 現在81歳になるメディア王のベルルスコーニ氏は、2017年4月にミランを手放すまで自らの資金を投じてミランを強化し、オーナーを務めた間にセリエA優勝8回、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions Leagues)制覇5回など、合計で29個ものタイトルを獲得する黄金時代を築いた。

 国内紙コリエレ・デロ・スポルト(Corriere dello Sport)によると、ベルルスコーニ氏とミラン時代に同氏の右腕だったアドリアーノ・ガッリアーニ(Adriano Galliani)氏が、モンツァの株式の70パーセントを取得する用意をしており、交渉は9月中に終わる可能性もあるという。

 モンツァのニコラ・コロンボ(Nicola Colombo)会長は同紙に対し、ベルルスコーニ家が所有するフィニンベスト(Fininvest)社の代表から接触があり、スタジアムやクラブに関する詳しい情報と、「話し合いに応じる意思があるか」を聞かれたと話した。

 コロンボ会長は国内のラジオで、ベルルスコーニ氏が来れば現在3部のモンツァも「壮大な計画を立て、壮大な夢を見られる」と語っている。会長は「ACミランの歴史を見れば分かるように、ベルルスコーニ氏はただ参加するのではなく勝つためにやる人物だ。それを考えれば、セリエAでの争いも現実的な目標になってくる」と話している。

 1980年代終盤から1990年代初頭にミランで成功を収めたことも手伝って、政界のトップへ上り詰めたベルルスコーニ氏は、ミランを売却して以来、国民からの支持の低下を感じていると言われている。(c)AFP