【9月7日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のシアトル・シーホークス(Seattle Seahawks)に、片手のLBとして入団して話題を集めたシャキーム・グリフィン(Shaquem Griffin)が、デンバー・ブロンコス(Denver Broncos)との新シーズン開幕戦で先発入りすることが決まり、驚異のプロキャリアにまた新たな一ページを刻むことになった。

 幼少期の珍しい疾患が原因で4歳のときに左手を切断したグリフィンは、ドラフト全体141番目でシーホークスに入団。NFL最初の「洗礼」を乗り越え、プレシーズンで24タックルを決めるなどしてアピールに成功し、9日のブロンコス戦で双子の兄のシャキール(Shaquill Griffin)とともに出場することになった。

 ピート・キャロル(Pete Carroll)ヘッドコーチ(HC)は「彼は試練を乗り越え、懸命に努力し、ポジションを強く望んだ。それがはっきりしていたから、先発入りは当然だ。彼は今まさに一つの山を越えた」とコメント。また「グラウンド外でも仲が良いし、良くかみ合っている。お互いをとても良く認め合っている」と兄のシャキールの存在が大きかったことも挙げた。

 身長183センチ、体重103キロのグリフィンは、セントラルフロリダ大学(University of Central Florida)時代に26試合に先発出場してタックル175回、サック18.5回、インターセプト2回、パス阻止11回を記録。オールアメリカのファーストチームに2度選ばれたほか、2016年にはアメリカン・アスレチック・カンファレンス(American Athletic ConferenceAAC)の最優秀守備選手にも選出された。

 そしてスカウティングコンバインでは、40メートル走で過去最速の4秒38をマークするなど、見事な記録を出してドラフト候補に入り、注目を集めた。ドラフトの場では「単なる心温まるストーリーを提供した人間で終わりたくない。プロフットボール選手、それも優れた選手になりたい」と話していた。(c)AFP