【9月7日 AFP】イラク南部の港湾都市バスラ(Basra)で6日夜、劣悪な公共サービスに抗議する暴力的なデモが発生し、1人が死亡、35人が負傷した。これを受けて、同市では夜間外出禁止令が発令された。

 保健省のセイフ・バドル(Seif al-Badr)報道官は「1人が死亡し、民間人24人と警察官11人が負傷した」とのみ発表した。

 行政の怠慢に対する今回の抗議デモでは、現地自治体の庁舎や政治団体の事務所などが炎に包まれた。

 石油資源が豊富なバスラ市は、7月以降、イラク全土を揺るがしているデモの震源地。水道水の汚染により3万人が入院したことで、人々の怒りはますますあおられた。

 7月8日のバスラのデモ発生から、一連のデモによる死者はこれまでに少なくとも計23人に上っている。

 ハイダル・アバディ(Haider al-Abadi)首相は市民たちの怒りを静めようと躍起になっており、当局はイラク南部のインフラと公共サービスの緊急再建策に数十億ドルを拠出すると表明した。しかし、イラクでは今年5月に行われた総選挙の後、政治空白が生じているため、市民たちは極めて懐疑的な態度を崩していない。(c)AFP