【9月6日 AFP】米コーヒーチェーン大手スターバックス(Starbucks)は6日、イタリア北部ミラノ(Milan)に同国1号店をオープンする。同社の高級業態「リザーブ・ロースタリー(Reserve Roastery)」の広々とした店舗で、ついにエスプレッソの本場に乗り込む。

 イタリア飲食業連盟(FIPE)によると、同国では至る所に存在するカフェで年間60億杯のコーヒーが提供されるという。ワシントン州シアトル(Seattle)に本社を置くスターバックスが、力強く濃厚なエスプレッソという同国文化の中核に挑む格好だ。

 イタリア以外の欧州諸国では既に成功を収めているにもかかわらず、同国市場へは慎重な参入となったのも無理はない。

 同社の最高経営責任者(CEO)や会長を歴任し、今年6月に名誉会長へと退いたのがハワード・シュルツ(Howard Schultz)氏。2020年大統領選出馬の可能性も取り沙汰され、普段は率直な物言いで知られるシュルツ氏も、イタリアへは「謙虚」に行くと繰り返していた。

「1983年に初めてミラノを訪れたとき、街のエスプレッソバーで目にしたコミュニティーの感覚──バリスタと客の間に、いかにもさりげなく本物の人同士のつながりが生まれる瞬間に魅了された」と、シュルツ氏は話している。

 店舗面積2300平方メートルの「世界一美しいスターバックス」で、ミラノ市民に新たなコーヒー体験を提供する。(c)AFP/Céline CORNU