【9月6日 AFP】サッカーフランス代表のFWアントワーヌ・グリーズマン(Antoine Griezmann)は、W杯ロシア大会(2018 World Cup)で優勝を果たし、所属するスペイン1部リーグのアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)でも主要タイトルを獲得した今年こそ、バロンドール(Ballon d’Or)の投票で上位3人に入るにふさわしいはずだと力説した。

 グリーズマンは2016年、タイトルを一つも獲得していないにもかかわらずサッカー界で最も名誉ある個人賞として知られるバロンドールの投票で、クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)とリオネル・メッシ(Lionel Messi)に次ぐ3位に入った。

 グリーズマンはこの年、欧州選手権(UEFA Euro 2016)と欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2015-16)の決勝で敗れたが、今年はアトレティコでヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2017-18)とUEFAスーパーカップ(UEFA Super Cup 2018)を制し、W杯ロシア大会でもフランスの優勝に貢献するなど、運に恵まれている。

 27歳のグリーズマンは仏スポーツ日刊紙レキップ(L’Equipe)に対し、「2016年と比較しても、今年は上位の3人には入っていなければならないね」とコメントした。

「2016年は二つの決勝戦で敗れたが、それでも最終候補に入った。今年は出場した三つ決勝戦ですべて勝利している」

 もしバロンドールを受賞することができなかったら不公平だと感じるか尋ねられると、グリーズマンは「不公平ではないよ。けれど、これ以上に何ができるんだろうとは思うだろう。三つのタイトルを手にし、決定的な場面でも存在感を示したからね。とはいえ、投票するのは自分じゃない」と返答した。

 過去10年間、ロナウドとメッシの二人が独占してきたバロンドール。ロナウドはレアル・マドリード(Real Madrid)で欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2017-18)を制しており、今年も候補の一人と目されている。

 しかし、今夏FCバルセロナ(FC Barcelona)への移籍を拒んだグリーズマンは、同賞においてロナウドとメッシによる支配が終わりを迎えるととなれば特別だと認めた。

「受賞に近づいていることもあって、そういったことも考えている。バロンドールは名誉ある賞であり、一人の選手が目指せる頂だ。各国のリーグやW杯、欧州選手権にはそれぞれトロフィーがあるが、バロンドールは特別だ」

 しかし、グリーズマンが2018年にピッチ上でみせた輝きは必ずしも十分なものではなかったかもしれないということを示すしるしもある。

 欧州サッカー連盟(UEFA)は昨シーズンの欧州最優秀選手賞(UEFA Player of the Year Award)に、主将としてクロアチアをW杯ロシア大会の決勝に導き、レアルで欧州チャンピオンズリーグ優勝を経験したルカ・モドリッチ(Luka Modric)を選出した。

 さらに国際サッカー連盟(FIFA)が発表した男子年間最優秀選手賞の3人の候補者にもグリーズマンの名前はなく、そこにはフランスの選手が一人も含まれていなかった。

 同賞の最終候補者はモドリッチとロナウド、モハメド・サラー(Mohamed Salah)の3人であり、これは欧州最優秀選手賞の候補者と同じ顔ぶれとなっている。

 FIFAからの冷遇について、グリーズマンは「信じられないし残念だ。FIFAが発表する賞なのに?」と応じた。

「W杯を主催しているのもFIFAだ。違うかい? W杯を制したのはわれわれなのに、そこにフランス人が一人もいない。それが彼らの選択なのだろうが、世界王者であるフランスから最終候補に一人も入っていないというのは驚きだ」 (c)AFP