【9月6日 AFP】ブエルタ・ア・エスパーニャ(Vuelta a Espana 2018)は5日、第11ステージ(モンブエイからリベイラセカラルイントラ、207.8キロメートル)が行われ、BMCレーシングチーム(BMC Racing Team)のアレッサンドロ・デマルキ(Alessandro De Marchi、イタリア)が、カチューシャ・アルペシン(Team Katusha Alpecin)のホナタン・レストレポ(Jhonatan Restrepo、コロンビア)を抑えてステージ優勝を果たした。

 今大会で最も長い距離を走るレースで、デマルキとレストレポはグルパマ・FDJ(Groupama-FDJ)のティボー・ピノ(Thibaut Pinot、フランス)がけん引してきた逃げ集団を残り80キロメートルで引き離した。そして、最後の上り坂でレストレポを置き去りにしたデマルキが、28秒差をつけてブエルタで自身3回目のステージ優勝を記録した。

 バーレーン・メリダ(Bahrain-Merida)のフランコ・ペッリツォッティ(Franco Pellizotti、イタリア)が、トップから59秒差で3位に続いた。

 ミッチェルトン・スコット(Mitchelton-Scott)のサイモン・イェーツ(Simon Yates、英国)は、モビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)らが終盤に仕掛けた再三にわたるアタックにどうにか食らいつき、総合首位の赤ジャージー(マイヨ・ロホ)を維持した。

 モンドニェード(Mondonedo)からマニョン(Manon)まで走破する6日の第12ステージを前に、26歳のイェーツは総合優勝を争うキンタナやアレハンドロ・バルベルデ(Alejandro Valverde、スペイン)のモビスター勢との差を広げておく必要があった。

 今年のジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia 2018)では総合首位をキープしながらも、終盤のステージで劇的な脱落を喫していたイェーツは、38歳のベテランライダーであるバルベルデとの差が1秒、2016年大会を制しているキンタナとの差はわずか14秒となっており、「きょうのレースは本当にクレイジーだった。ライバルたちも再び素晴らしい走りを見せていた。今頃はきっと疲れているだろう」とコメントした。

 三大ツール(グランツール)では表彰台の常連でありながらも、優勝には届かずにもがいているモビスターの両エースは、ピノを先頭とする逃げ集団との差を縮める上で、ミッチェルトンがメイン集団で守りに入り過ぎていたことを指摘した。

 2009年大会覇者のバルベルデは、「一部のチームは勝利を目指していなかったようだが、自分たちはそうではない」とすると、「ミッチェルトン? あのチームには独自の戦略がある。彼らは結果を守るためには決して無理はしない。ライバルにダメージを与えられると踏んだときにプッシュするんだ」と話した。

 キンタナもまた、「ミッチェルトンは、なぜ僕らと一緒にプッシュしないかって? そうだね、それが彼らが走る上での選択肢だったというだけ。きょうは集団の後ろについて行きながら、自分たちが利益を得るようにするというのが彼らの戦略だった」、「僕らにはここでやるべき仕事があった。他のチームは気にしていないだろうけど、僕らにはやるべき仕事があると分かっていた」とつけ加えた。

 7日から3日連続の山岳ステージに突入するのを前に、第12ステージでは小高い峠が続くレースとなっている。(c)AFP