■猛禽のように

 チームは今回の研究で、アメリカオオモズ37羽が生きたハツカネズミや他の動物を襲う様子を記録した映像を詳しく調べた。このうち28のケースで、獲物を揺さぶる行動が観察された。観察結果は、モズが自分より大きな動物をどのように仕留めているかを明確に示していた。

「これらの結果は、小さな鳴き鳥がタカなどの大型猛禽類とは異なる方法で、比較的大きな動物を殺傷することがいかにして可能かを説明する助けとなる。鋭いかぎ状のくちばしはあってもかぎ爪はないなど、モズは『道具』の一部を持っているだけで、すべてを備えているわけではない。そのため、獲物にとどめを刺すための別の方法を見つけたのだと思われる」

 モズは体の大きさの割に不釣り合いなほど力が強い。しかし、その殺傷能力により大きく関わっているのはスピードだ。サステイタ博士は指摘する。

「その体の大きさや『種類』から想像されるよりも、モズは大きな獲物を捕らえることができる。種類に関して忘れてはならないのは、モズが鳴き鳥であることだ。例えばコマドリが、ネズミを殺す力を持っているとは思えないし、実際にコマドリにその力はない」と博士は話した。

「この特殊な行動は、獲物の体重を巧みに利用するための加速度を生み出すスピードに大きく依存しているため、見かけほど大きな力を必要としないのかもしれない」 (c)AFP