【9月5日 AFP】4日に行われた全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)の男子シングルス準々決勝で、死闘の末に親しい友人でもあるラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)に敗れたドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)は、今回の試合は「一生頭から離れないだろう」と語った。

 大会第9シードとして臨んだティエムはこの日、6-0、4-6、5-7、7-6(7-4)、6-7(5-7)で連覇を狙う第1シードのナダルに競り負けた。一方、翌日の午前2時4分に終了した4時間49分に及ぶ熱戦を制した王者は、全米オープンで4個目、四大大会(グランドスラム)で18個目のタイトル獲得へ望みをつないだ。

 ナダルと初めてハードコートで対戦したティエムは試合後、「これは一生頭から離れないだろう。この試合のことは間違いなく永遠に忘れないだろう」と話した。「テニスは時にして残酷だ。この試合に敗者はいらないと思うが、そこには1人いなくてはいけないのだから」

 6月のローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)決勝で苦杯をなめたナダルを相手に、ティエムは第1セットで7ポイントしか与えず、わずか24分で先取。ナダルにとってグランドスラムで4度目の「ベーグル」を食らわせた。さらに、第3セットでは5-3、第4セットでも4-2と先にリードを奪ったが、ニューヨークで3度の優勝経験を誇るナダルにいずれも挽回された。

 第3シードのファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro、アルゼンチン)が待つ準決勝へ駒を進めたナダルは、試合後にティエムに「ごめん」と声をかけたというが、オーストリア出身の25歳は慰めの言葉を笑い飛ばし、「本当に申し訳ないとは感じていないと思うよ」とすると、「まあでも、彼は本当に素晴らしい人だ。誰にも負けたくないけど、彼が優勝することを願っている。それは間違いない」と続けた。

「僕たちは、ほぼすべての試合で最高の戦いをしてきたと思う。こうした試合が、これから何度もできることを願っている。違う結末でね」 (c)AFP