【9月5日 AFP】欧州最高峰モンブラン(Mont Blanc)で混雑が深刻化している問題を受けて、フランスの地元当局は4日、来年から登山者を1日214人に制限すると発表した。

 人数制限は混雑緩和のため施行されるいくつかの措置のうちの1つ。最も人気のある登山道の玄関口である町サンジェルベレバン(Saint-Gervais-les-Bains)のジャンマルク・ペイエ(Jean-Marc Peillex)町長はAFPの取材に対し、「厳しい決断だが、とても良い決断でもある。なぜならモンブランに登るのは他の山に登るのとは違うからだ。登山者はよく準備する必要がある」と答えた。

 この夏の登山シーズンは、高気温で雪や氷が解けたために標高の高い場所で落石の危険性が上がったにもかかわらず、1日当たり300人以上がモンブラン登山に挑戦した。

 今年に入ってモンブランで死亡した登山者は少なくとも16人に上っているが、「ロイヤルルート(Royal Route)」と呼ばれる人気が高い登山路での死亡者は1人にとどまっている。

 警察は今夏から登頂を目指す登山者に、ルートの途中にある山小屋のどれか一つに宿泊予約を入れなければ先に進ませないという規則を科している。ペイエ町長は、登山者に新しい諸規則を守らせるため、「スノーブリゲード隊」という当局者の組織の創設も検討していると述べた。

 当局者によると、標高4810メートルの山頂を目指す登山者の中には準備不足の人(スニーカーを履いているなど)や登山マナーを知らない人などもおり、登山客の間であつれきを生んでいるという。(c)AFP