【9月5日 AFP】英スコットランド行政府のニコラ・スタージョン(Nicola Sturgeon)首相は4日、在住外国人にスコットランド議会選などの投票権を付与する方針を明らかにした。英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)後にスコットランド議会選の投票権を失うことになるEU市民の保護が狙いだが、スコットランドからの独立を目指すスタージョン氏はさらに踏み込んだ措置を打ち出した形だ。

「スコットランドで暮らす法的権利を持つ全ての人々に公平な投票権を付与する」。スタージョン氏は明言した。計画が実現すれば、出身地を問わずスコットランドに合法的に居住する全ての人に、スコットランド議会選と地方議会選の投票権が与えられる。

 スタージョン氏は英国からの独立の是非を問う2回目の住民投票を実施して独立を果たすのが悲願。3日に発表された世論調査では独立反対43%に対して賛成47%という結果になり、スタージョン氏に追い風が吹いている。

 スタージョン首相は4日、「私たちのように、スコットランドにとって最良の未来は独立国になることだと考える同胞が増えてきているのは明白だ」と自信を示した。

 一方、野党・保守党からは、外国人に独立に関する住民投票の投票権も与えられることになるのではないかと懸念する声が上がっている。2014年の住民投票では、スコットランドに住んでいるEU市民は投票資格があった。(c)AFP