【9月4日 AFP】インド西部グジャラート(Gujarat)州で、高さ182メートルと世界一高い像になる見通しのインド独立の英雄像が、来月末の落成に向けて急ピッチで建造が進められている。だが、この像は完成して間もなく、同じインドのムンバイ(Mumbai)に建立中のヒンズー教の英雄像(212メートル)にトップの座を明け渡すことになりそうだ。

 愛国心の発露と言える2つの像は、どちらも米ニューヨークの「自由の女神像(Statue of Liberty)」の倍を超える高さになる。

 グジャラート州のバドダラ(Vadodara)近くに建立されているのは、インド独立の英雄で独立後の1947年に初代副首相を務めたサルダール・バラブバーイー・パテル(Sardar Vallabhbhai Patel)の銅像。現時点で世界一の高さを誇る中国の魯山大仏(Spring Temple Buddha、高さ128メートル)を初めて上回る像になる。

 一方、西部マハラシュトラ(Maharashtra)州ムンバイの海辺では、17世紀のインドを支配していたムガール(Mughal)帝国と戦い、マラータ王国を築いたヒンズー教徒の英雄チャトラパティ・シバジ(Chhatrapati Shivaji)の像の建立が進んでいる。馬にまたがり剣を振りかざしたシバジ像は2021年に完成する見込みだ。

 パテル像の方は、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相による10月31日の落成式に間に合うよう、中国人数百人を含む労働者約2500人が24時間態勢で仕上げを急いでいる。

 サルダル・サロバル・ダム(Sardar Sarovar Dam)を望む場所に建てられているパテル像は、グジャラート州が地元のモディ首相が旗を振るプロジェクト。総工費は299億ルピー(約466億円)。「統一の像(Statue of Unity)」と呼ぶこの像について、首相は「ニューヨークの自由の女神像のように大勢の観光客が押し寄せるだろう」と期待を示している。(c)AFP/Premal Balan