【9月5日 Xinhua News】中国四川省の成都文物考古研究院は8月31日、10年余りにわたる保護修復を経て、中国国内で出土した中で最も保存状態がよく最大の漆塗りの「翣」(そう)がこのほど、「元の姿」を取り戻したと発表した。

「翣」は古代中国で格の高い葬儀の祭礼に用いた道具であり、幡(ばん)に似ている。君主や官吏の葬儀で先導役が掲げるしるしとして使われた。西周から春秋時代にかけては、主に君主と上級貴族の墓から出土しているが、戦国時代以降は一般の貴族も使用していたことが判明している。

 今回修復した翣は漆塗りの木製で、舟をこぐオールのような形をしており、黒い下地に赤褐色の模様が描かれている。長さ2.08メートル、平板状の部分の幅は約10センチ、厚さ2センチで、柄の部分の直径は3センチ。2006年に同省成都市蒲江県鶴山鎮飛竜村(現・同県鶴山街道飛竜社区)の丸木舟状の「船棺墓」から出土した今から2200~2300年前の戦国時代の翣とされる。(c)Xinhua News/AFPBB News