【9月3日 AFP】スリランカ東部の沼地で、野生のゾウ7頭が死んでいるのが見つかり、野生生物省は3日、死骸を回収し、本件に関する調査を開始したと発表した。

 最大都市コロンボから東に220キロ離れたポロンナルワ(Polonnaruwa)に赴いた同省副大臣はAFPに対し、沼地で発見された7頭のうち6頭が12歳未満だと明かすとともに、同じ場所でさらに多くのゾウが死んだ恐れもあるという見方を示した。「野生生物の専門家と獣医師らが死因を調べている」という。

 副大臣は考えられる死因の一つとして、地元ではジャパン・ジャバラ(Japan Jabara)と呼ばれている外来種の水草、ホテイアオイが沼地に繁茂していることを挙げた。

 この沼地はゾウの移動経路上にあり、沼にはまり込んだゾウがホテイアオイをかき分けようともがいた結果、疲れて溺れ死んだ可能性があるとしている。

 水面に浮かんで生育するホテイアオイは20世紀初めにスリランカに持ち込まれ、第2次世界大戦(World War II)以降、急速に増殖。同国に駐留した連合軍には、ホテイアオイを水辺に植えることで、旧日本軍の爆撃隊に緊急時の着陸に適した草地と勘違いさせる狙いがあったとされる。

 スリランカでゾウは国宝とみなされ、法律で保護されている。ただ、野生生物保護区周辺では人とゾウの衝突が頻発しており、公式統計によれば、過去5年間で375人が死亡したという。(c)AFP