【8月31日 AFP】オーストラリアのサンゴ礁、グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)に壊滅的な被害をもたらしているオニヒトデを駆除する潜水ロボットが8月31日、同国の研究班によって公開された。このロボットは、サンゴを食べるオニヒトデを発見し、他の生物には無害な致死性の薬物を注入するという。

 クイーンズランド工科大学(QUT)の科学者らによれば、米グーグル(Google)から助成を受けて開発されたこの「レンジャーボット(RangerBot)」は、世界遺産(World Heritage)に指定されているグレートバリアリーフで「サンゴ礁保護ロボット」として活躍する見込みだという。

 レンジャーボットは、8時間稼働可能なバッテリーとコンピュータービジョンを搭載。これまでにない規模で、サンゴ礁域の監視とマッピングが可能になるという。

 ロボットを公開したQUTのマシュー・ダンバビン(Matthew Dunbabin)教授は、「レンジャーボットは、サンゴ礁環境に特化して設計された世界初の水中ロボットシステム。ロボットビジョンだけを駆使し、リアルタイムナビゲーションや障害物の回避、高度な科学ミッションが可能になる」と説明している。

「サンゴの白化や水質、有害生物、汚染、沈泥など、サンゴ礁が直面しているさまざまな問題を、この多機能海洋無人機で監視することができる」という。(c)AFP