【8月30日 AFP】第18回アジア競技大会(18th Asian GamesAsiad)は30日、陸上男子50キロメートル競歩が行われ、勝木隼人(Hayato Katsuki)が4時間3分30秒を記録し、金メダルを獲得した。

 レースは、暑さと湿気に加え汚れた空気という厳しい状況の中で行われたが、穴を開けて風通しを良くしたユニホームを着用し、的確な判断をみせた勝木のタイムは前回大会の優勝タイムより23分遅く、ここ30年では最低の記録となった。丸尾知司(Satoshi Maruo)はレースを引っ張ったものの、残り10キロほどのところで後退し、4時間14分13秒で4位に終わった。

 アジア大会開催中のジャカルタのこの日の空気質指数(AQI)は163に達した。同指数が150以上になると、一般市民の健康に危険があるとされる。

 気温31度の中のレースを最下位でフィニッシュした後に倒れ込み、ストレッチャーに乗せられ運ばれた地元インドネシアのヘンドロ(Hendro)は、完歩したことは「奇跡」と語った。

 多くのインドネシア人同様、名前が一単語のヘンドロは「レースは難しかった。暑くて、湿気が有り、それだけじゃなく大気汚染もあった。ここでのレースは楽じゃない。これがインドネシアだ」と語ると、「私にとっては完歩できたのは奇跡。奇跡なんだ」と付け加えた。

 勝木も「かなり暑かった」とすると、「前の選手は序盤に速いペースで行ったが、彼らのペースが落ちることは分かっていたので自分のペースを守った。準備はしていた。空気の流れを促すために、ユニホームに穴を開けた」と語った。(c)AFP