【8月29日 AFP】米カリフォルニア州シリコンバレー(Silicon Valley)にある230万ドル(約2億6000万円)の邸宅で隠居生活を送る計画が明らかになり、激しい批判にさらされていたカトリック教会の司教が計画を見直し、引退後は教区の司祭館で暮らすと発表した。

 パトリック・マクグラス(Patrick McGrath)司祭は27日付の声明で、自分の引退後のためにサンノゼ(San Jose)教区が五つの寝室付きの家を購入した際に「判断を誤った」と認めた。

 司祭は「シリコンバレーの住宅危機や、この危機を受けて本当に多くの家族やコミュニティーが苦心していることを十分に考慮できていなかった」と述べた上で、「この話に関して多くの人から意見を聞き、あの家には入居しないと決心した」と発表し、引退後は教区司祭館で生活する意向を示した。

 マクグラス司祭によれば、教区は広さ約300平方メートルの邸宅を早急に売りに出す計画で、売却によって得る全資金を慈善事業に回すという。

 一方でこれを批判する人々は、同司祭引退のために割り当てられた予算での住宅購入や、前任者の司祭が住んでいたマンションを売却することは、貧困者の救済という教会の使命に反すると主張。さらに、フランシスコ(Francis)法王が強く求める質素な教会とも、相いれないと非難している。(c)AFP