【8月30日 CNS】四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)の自由貿易区内に2017年8月に完成した「マレーシア国家館」。

「早ければ、今年末までにマレーシア産のドリアンを仲介業者を通さずに直接、四川省に直接届けられるようになる」。運営を担当する四川中馬貿易の姚士麟(Yao Shilin)董事長は、待ち遠しい様子で話した。「ここが四川省を含む中国大陸とマレーシアとの経済貿易、文化を往来する総合的なプラットフォームになるだろう」

 近年、同省は内陸部の産業発展を促す「内陸開放型経済」への新たな開拓と、「一帯一路(One Belt One Road)」構想に溶け込みながら、南へ、西へと多くのルートを開放している。

 マレーシア国家館は、同国政府が推奨する輸入商品保税展示取引プラットフォームとして、四川省が進めている、東南アジアや南アジアを見すえた「南部政策」の重要な一部分になっている。

 四川省の南部には、東南アジア各国など23億人と言われる市場がある。近年、同省と南方の国・地域との貿易額は、同省全体の貿易額のうち約25%を占める。また、四川省にとって東南アジア諸国連合(ASEAN)は、米国に次ぐ第二の貿易取引先であり、潜在力のある大きな市場とみられいる。

 姚董事長は、「今後はマレーシア国家館を経由し、中国の内陸企業がマレーシアや東南アジアに参入できるシステムを構築し、言葉の壁などの問題を少しずつ取り除くことができれば、双方にさらに多くの投資機会を提供することができるだろう」と話す。

 また、マレーシア国家館から約10キロ離れた場所にある、「人」という文字をかたどった高さ192メートルの建物がある。この建物は現在、中国唯一の対欧総合サービスプラットフォームの機能を担う「中国─欧州中心(Business & Innovation Centre for China-Europe Cooperation)」だ。2017年5月に始動して以来、すでに欧州、一帯一路沿線国家48社・団体が入居している。

「一帯一路」が提言されてから5年がたち、中国・欧州間の国際定期貨物列車便「中欧班列」は、国外16都市と国内14都市を結び、太平洋と大西洋のネットワークを構築する「新ユーラシア・ランドブリッジ」となっている。(c)CNS/JCM/AFPBB News