「記憶に留めておく一枚の報道写真」

「テロリズムの犠牲者」 この言葉を聞いてどんな人をイメージをするだろうか。政府要人、民間人、様々あるかもしれない。この棺の中にいる人物、2018年3月28日フランスで起きたテロ事件の犠牲者アルノー・ベルトラムはそのどちらでもない。国家憲兵隊に所属する「兵士」だ。人質の身代わりとなり殺害された「犠牲者」の1人である。テロにおいて、要人や民間人だけが犠牲者ではない。テロが起こる限りどこで、そして誰が犠牲になるかはわからない。スーパーでの買い物、街中での散歩、今回のテロのように何気ない日常の中でたまたま命を落とすかもしれない。だからこそ今、我々はテロを無視せず、正面から向き合い考えなくてはならない。それが解決へのきっかけとなるから。その思いがこの写真を選択させた。


法政大学 西尾悠汰 テロセクション