【8月28日 CNS】中国・浙江省(Zhejiang)温州市(Wenzhou)楽清(Leqing)で24日、ネット配車サービスの大手アプリ滴滴出行(Didi Chuxing)の利用客の女性(20)が車に乗った後に行方不明になり、楽清警察は翌25日、女性の遺体を発見し、滴滴の相乗りサービスの「順風車(ヒッチ、Hitch)」の運転手を容疑者として逮捕したと、微博(ウェイボー、Weibo)を通して発表した。容疑者は、強姦と殺害の事実を認めているという。

 滴滴をめぐっては、河南省(Henan)鄭州市(Zhengzhou)で今年5月、客室乗務員の女性が滴滴の運転手に殺害されてから、わずか3か月しかたっていない。

■3か月間の「改善」で何をやったのか?

 滴滴の運転手による再度の殺人事件が伝えられ、ネットユーザーの怒りは収まらない。滴滴のプラットフォームに対し、多くの厳しい追及がなされている。

 滴滴は、適時に情報を伝達しているのか、責任転嫁をしていないのか、が一つ目の疑問だ。

 同じ運転手の前日の行為について、利用客から苦情が寄せられていたのに、なぜ悲劇を阻止できなかったのか。

 温州都市報(Wenzhou Dushi Bao)の報道によると、楽清在住の林さんという女性の話として、事件前日の23日午後、同じ容疑者の車に乗ったところ人気のない所に連れて行かれ、おかしいと思い、運転手にすぐに車を停めるよう求め、停めなければ飛び降りるとも言った。

 車が止まると、林さんは車を降り、走って逃げた。運転手はすぐにUターンして数百メートル追いかけてきて車に乗るように言われたが、林さんはこれ以上ついてきたら警察に通報すると言い、ようやく振り切ることができたという。

 林さんは、この車を写真に収めていた。殺害された女性の家族に見せたところ、林さんが乗ったのと車と同じ車で、ナンバープレートは「川Axxx」であることが分かった。

 林さんはまた、23日に自分の身に起きたことを、滴滴に通報し、苦情を寄せたという。滴滴側は調査をすると言っただけで、殺人事件が起こってしまった今に至るまで、何の返答も無いという。

 なぜ、苦情を通報された運転手がただちに処分されることなく、続けて仕事を受けることができたのか。これが二つ目の疑問だ。