【8月28日 AFP】フランスのニコラ・ユロ(Nicolas Hulot)環境相が28日、辞意を表明した。ユロ氏は現政権で最も人気の高い閣僚の一人であり、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領にとっては大打撃となる。

 テレビ出演や長きにわたる環境保護活動で知られるユロ氏は昨年、マクロン大統領の求めに応じて入閣。しかし、政策面で他の閣僚らとの衝突が絶えなかった。

 ユロ氏は同日、ラジオ局フランス・アンテル(France Inter)で、「政府を去るという決断をする」と突然辞意を表明。

 環境問題において、政府内で「孤独」を感じると明かしたユロ氏は、マクロン大統領にもエドゥアール・フィリップ(Edouard Philippe)首相にも辞任の意向を伝えていなかったという。ただ「誠実かつ責任ある決意だ」としている。

 ユロ氏は、2025年までに原子力発電の比率を50%まで引き下げるとしていた目標を政府が撤回した際、落胆を示していた。また、欧州連合(EU)との農薬をめぐる交渉でも不満を募らせていた。

 現在、複数の課題に直面しているマクロン大統領にとって、ユロ氏の辞任は大きな打撃となる。(c)AFP