【8月28日 AFP】スイス・ジュネーブで27日、いわゆる「殺人ロボット」に関する国連(UN)の会議が始まり、専門家らは殺人ロボットの使用を禁止する取り決めに国際社会が直ちに合意すべきだと訴えた。

 専門家らはロボット兵器について、最終的な殺害命令を下す人間を介在せずに殺傷能力を行使する兵器が配備されるのも時間の問題だと指摘。また、特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)に関する会議を主催する国連の対応が遅過ぎると批判した。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)で人工知能(AI)と人権に関するアドバイザーを務めるラシャ・アブドル・ラヒム(Rasha Abdul Rahim)氏は、「殺人ロボットはもはやSFの世界の話ではない」と述べ、「AIドローン(無人機)から自動で狙いを定める銃まで、兵器の技術進歩に国際法が全く追い付いていない」と指摘。「このような危険な兵器の普及を阻止するため、われわれは手遅れになる前に具体的な措置を講じるよう諸外国に呼び掛けている」と語った。

 活動家らによると殺人ロボットの即時禁止を訴える国は現在少なくとも26か国まで増えているが、最も進んだ自律型兵器を保有しているとされる米国、フランス、英国、イスラエルなどは自律型兵器の使用を制限する仕組みに一切関わっていない。

 対人地雷全面禁止条約成立への尽力を認められ、1997年にノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞したジョディ・ウィリアムズ(Jody Williams)氏は記者団に対し、「(殺人ロボット禁止が)多数の意見によって阻止されるのであれば、私たちは国連以外の場で交渉を進めていく用意がある」と述べた。(c)AFP/Nina LARSON