「記憶に留めておく一枚の報道写真」

人間の最も基本的・本能的である「食べたい」という欲求さえ満足に満たすことができない状況をあなたは想像できるだろうか―昨年9月、国連は世界の飢餓人口がアジアやアフリカを中心に8億1500万人(前年比3800万人増)に達したことを報告した。これは、世界人口の9人に1人が飢餓状態に苦しめられていることを意味する。「食べたい」という欲求さえ満たされない人々は、希望を持てずに命を落とし、子どもたちも幼くして病にかかるなどして次々と命を落としていく。一方、日本をはじめとする先進国では、支援量を圧倒的に上回るほどの食料を廃棄しているのもまた現実なのである。世界の年間食糧支援量が約300万トンであるのに対し、日本での年間食品廃棄量は実に500~900万トンまで達する。あなたはこの現実にいったい何を思うだろうか。


早稲田大学 木村慎 資源環境セクション