【8月27日 AFP】米首都ワシントンの枢機卿による性的虐待疑惑を報告したにもかかわらず黙殺されたとして、ローマ法王庁(バチカン)の駐米大使を務めたカルロ・マリア・ビガノ(Carlo Maria Vigano)大司教がフランシスコ(Francis)法王を非難している。疑惑は最近明るみに出たが、大司教は5年前に法王に伝えていたという。法王は26日、この件についてコメントを拒んだ。

 疑惑は、ワシントンのカトリック教会のセオドア・マカリック(Theodore McCarrick)枢機卿が過去に未成年に性的虐待をしていたというもの。枢機卿は先月、辞任に追い込まれている。

 ビガノ大司教はカトリック新聞ナショナル・カトリック・レジスター(National Catholic Register)紙に掲載された書簡の中で、疑惑について2013年に法王に報告したが、法王は前任のベネディクト16世(Benedict XVI)が同枢機卿に科していた制裁を解除したと告発。

 フランシスコ法王について「少なくとも2013年6月23日からは、マカリックが性犯罪を繰り返す者だと知っていた」とし、マカリック氏が「堕落した人物」だと分かっていたのに最後までかばったと批判している。

 法王は26日、訪問先のアイルランドからバチカンに戻る機内で書簡について記者団に問われると「それについては一言も言うつもりはない」と答えた。(c)AFP/Joseph Stenson and Catherine Marciano