【8月26日 AFP】インド南部ケララ(Kerala)州を襲った過去100年で最悪とされる洪水で、当局は26日、さらに28人の遺体が収容され、死者数が445人に増加したと発表した。その一方で、水が引いた後にはヘビが残るとして注意が呼び掛けられ、各病院は抗毒血清などの用意を進めている。

 同国政府は洪水で泥や砂がたまった住宅や公共スペースの清掃作業に着手。ただ、今も100万人前後が避難キャンプにとどまり、15人が行方不明となったままとの報告があるという。

 政府発表によれば、1万キロ超の道路が洪水で損傷。ある議員によれば、住宅5万棟が全壊した。

 その一方、同州のピナライ・ビジャヤン(Pinarayi Vijayan)州首相はツイッター(Twitter)で、「洪水に見舞われた住宅の13万棟超、つまり被害を受けた住宅の3分の1近くで、清掃作業が完了した」と述べた。

 そうした中、同州エルナクラム(Ernakulam)県では22日、自宅の状況を目の当たりにした68歳の男性が自殺。また警察によると、19歳の少年も今週、洪水で卒業証書が傷んだとの理由で自殺している。

 被災者たちが自宅へと戻り始める中、地元メディアは、洪水で水に漬かっていた住宅の食器棚の中やカーペットの下、衣類の間や洗濯機の中などにヘビが潜んでいる恐れがあると警鐘を鳴らしている。

 州政府のスバース・T・V(Subhash T.V)報道官は24日、AFPに対して「洪水被害を受けた多くの住宅でヘビが目撃されているため、帰宅の際には用心するよう、注意喚起が発令された」と説明。「病院でも事態への備えが進められ、ヘビにかまれた人を治療する設備を整えるよう指示が出されている。被災地を中心に、すべての病院で抗毒血清など必要な医薬品を備蓄している」と述べた。

 地元メディアによると、被害が特に深刻だった同州北部と中部の複数の病院で、ヘビにかまれた傷の手当てのため来院する患者の数が増加しているという。

 地元のヘビ遣いであるババ・スレシュ(Vava Suresh)さんは英字紙ヒンドゥスタン・タイムズ(Hindustan Times)に対し、不安に駆られたエルナクラム県の住民から22件前後の通報を受け、コブラ5匹を捕獲したと語っている。(c)AFP