【8月24日 AFP】インドネシアで、元妻に対し扶養料の支払いを滞納して提訴されていた公務員の男性(54)が23日、未払い分の1億5300万ルピア(約120万円)をようやく支払った。ただし、全部小銭だった。

 中ジャワ(Central Java)州カランアニャル(Karanganyar)県の裁判所は男性に対し、未払いの扶養料約9年分を元妻に支払うよう命じた。しかし男性は薄給で、友人らの助けを求めざるを得なかったという。

 男性は同日、友人2人の力を借り、小銭が入った約10袋を手押し車に載せて出廷。男性の弁護士によると、小銭は重さにして約890キロあったという。

 これに対し元妻の弁護士は、小銭を数えることを拒否。男性と口論になりかけた。

 男性の弁護士は24日、AFPに対し「正直なところ、私も(小銭での支払いには)驚いた。依頼人によれば、扶養料は友人や家族が寄付してくれたもので、その大半が小銭だったという」「誰かをばかにする意図はなかった。あれが彼の持っているすべてだった」と話した。

 元妻は最終的に小銭を受け取ったものの、男性の弁解には納得していない。地元メディアは元妻が「これは侮辱。私を貧乏人扱いしているよう」と憤っていると伝えている。

 裁判所は、小銭の計算を職員に命じた。(c)AFP