【8月24日 AFP】仏航空大手エールフランス(Air France)と英航空会社ブリティッシュ・エアウェイズ(British Airways)は23日、イランの首都テヘランへの乗り入れを来月に休止すると発表した。米国の対イラン制裁再開により、収益が見込めないことを理由に挙げている。

 エールフランスは「採算が合わない」として、子会社の格安航空会社(LCC)ジューン(Joon)が運航するテヘラン便を9月18日に休止する。同社広報によると、パリ-テヘラン便はもともと週3回運航していたが、今月から週1回に減便していた。

 また、ブリティッシュ・エアウェイズも「現時点で採算が合わない」として、ロンドン-テヘラン便は9月22日、テヘラン-ロンドン便は翌23日を最後に運航を休止するとしている。

 エールフランスと親会社を同じくするKLMオランダ航空は既に先月、「収益と業績の見通しが芳しくない」としてテヘラン便を休止する方針を発表していた。

 エールフランスは、イランの核兵器開発凍結を条件に米、英、仏、独、中、ロの6か国が制裁解除に合意した「イラン核合意」を受け、翌2016年の4月にテヘラン便を再開した。しかし、米国は今年5月、核合意からの離脱を発表し、8月と11月の2段階に分けて対イラン制裁の再開を宣言していた。

 残る5か国は合意の維持を確認しているが、各国の企業がイランで操業を継続した場合、米国から大きな制裁を受けるリスクがある。現在もイランへの乗り入れを継続している欧州航空会社には、独ルフトハンザ航空(Lufthansa)や伊アリタリア(Alitalia)航空がある。(c)AFP