【8月22日 AFP】(更新)2016年の米大統領選でドナルド・トランプ(Donald Trump)陣営の選対本部長を務めたポール・マナフォート(Paul Manafort)被告に対し、米南部バージニア州の連邦地裁陪審は21日、詐欺などで有罪評決を言い渡した。トランプ氏は今回の評決について「とても悲しい」と述べる一方、マナフォート被告から距離を置く姿勢も見せた。

 マナフォート被告の裁判は、2016年大統領選へのロシア介入疑惑の捜査がきっかけで始まった最初の裁判。バージニア州アレクサンドリア(Alexandria)の連邦地裁陪審は、虚偽の所得申告5件と銀行詐欺2件、海外銀行口座の申告漏れ1件の計8件の罪状について有罪評決を言い渡した。残る10件の罪状については意見不一致で判事が審理無効を宣言した。

 銀行詐欺の罪はそれぞれ、量刑が最大69年の禁錮刑となっており、マナフォート被告は理論上、生涯を刑務所で過ごす可能性もある。ただ法律の専門家はAFPに対し、実際の刑期は10年以下にとどまるとの見解を示している。

 トランプ氏は選挙集会のため訪れたウェストバージニア州で、マナフォート被告への有罪評決は「大変遺憾に思う」と記者団に語った。その一方で、2016年の大統領選後に行われている「魔女狩り」の一環だと反発した。

 マナフォート被告は、トランプ氏による共和党大統領候補指名獲得の立役者。しかしトランプ氏はこの日、マナフォート被告がジェラルド・フォード(Gerald Ford)元大統領の副大統領候補だったボブ・ドール(Bob Dole)氏や、ロナルド・レーガン(Ronald Reagan)元大統領の選挙運動に携わってきたことを引き合いに「大勢のために働いてきた」と述べ、被告とは距離があると印象づけようとした。

「起きてしまったことは非常に残念だが、それとロシアによる大統領選挙介入疑惑は一切無関係だ」とトランプ氏は主張した。(c)AFP