【8月21日 CNS】中国映画業界の突出した俳優の報酬について、制限がかかった。優酷(Youku)、愛奇芸(iQIYI)、騰訊(テンセント、Tencent)の3大プラットフォームはこのほど、正午陽光(DAYLIGHT ENTERTAINMENT)など6大映画製作会社と連合で、「不合理な報酬を抑制し業界の不正を抑制する共同声明」を発表した。

 プラットフォームと製作会社計9社による声明では、1本の映画、テレビドラマまたはインターネット視聴番組の出演者とゲスト出演者全員の出演料総額は総製作費の40%、主要な出演者に対する出演料は全出演者に対して支払う報酬の総額の70%、出演者一人の出演料は税込みで100万元(約1億6100万円)、出演料総額は5000万元(約8億円)を、それぞれ超えてはならないとしている。

 首都ラジオテレビ番組製作業協会(Capital Radio & TV Program Producers Association)、横店影視産業協会もさきごろ、業界秩序の規範を設けるよう提唱している。

 俳優の巨額報酬の問題は、各界から批判を浴びて久しい。2016年末には、テレビドラマ『如懿伝(Ru Yi Zhuan)』の主役を演じた男女の俳優が、計1億5000万元(約24億円)の報酬を手にしたことで、論争に火がついた。

 先ごろ、業界内で優酷と愛奇芸とテンセントの3社が共同で、番組1本あたりの版権価格の上限を800万元(約1億2900万円)に制限するといううわさが流れたことがあった。しかし、プラットフォームは版権の最終購入者として、番組1本当たりの買入れ価格を制限しても回数は制限しないので、俳優の高報酬問題を解決することはできない。製作者側は、回数を増やすことによって逃れることができるからだ。

 今回発表された声明で定めた最高限度額を実行した場合、番組1本あたりのエピソード数は50回を超えられず、俳優の報酬を制限するだけでなく、番組の回数も制限するということを意味している。

 声明はまた、税負担についても触れている。出演料に対して発生する税金は、俳優側が負担するとしている。仮に、製作者が俳優に支払う出演料が5000万元の場合、俳優本人は約2000万元(約3億2000万円)の税金を負担しなければならないということだ。