【8月21日 AFP】オーストリアのカリン・クナイスル(Karin Kneissl)外相が自身の結婚式でロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と踊った際、膝を曲げて深くお辞儀をしたことが国内で波紋を広げている。

 クナイスル外相の結婚式は18日にオーストリア南東部ガムリッツ(Gamlitz)で行われたが、プーチン氏を招待したことについてオーストリア野党は政治的中立性の面でオーストリアの評価が損なわれたと同外相を批判している。オーストリアは現在、欧州連合(EU)理事会の議長国を務めている。

 また、20日にはロシア政府系テレビ局「RT」が撮影したクナイスル氏がにこやかな表情でプーチン氏の前でお辞儀をする映像が公となり、非難の声はさらに増加。オーストラリアのメディア各社は「クナイスル、プーチンの前にひざまずく」といった見出しで報じた。

 左派系ジャーナリストのロベルト・ミシック(Robert Misik)氏は、たとえダンスの後のおどけたお辞儀だったとしてもプーチン氏の前で膝を曲げ、その様子を撮られるというのは外相としてあまりにもうかつだったと批判。

 一方で、ウィーンの名門ダンススクール出身のクナイスル氏がダンスの後の伝統的な作法を心得ていたと擁護する声もある。

 結婚式に出席した極右政党・自由党(FPOe)を率いるハインツクリスティアン・シュトラッヘ(Heinz-Christian Strache)副首相は、「結婚式のダンスにおける礼儀正しさ、友好、そして素晴らしいマナーによる外交術、これ以上オーストリアを代表できる人はいない」とクナイスル氏を持ち上げた。(c)AFP