【8月21日 東方新報】「ゲームしなかったらほかに何するの?」

 ゲームに熱中しながら、楊暁龍君は記者に逆質問した。両親は出稼ぎで、この村にいない。楊君は、中国農村部から都市部への出稼ぎに出ている親を、農村部に残って帰りを待つ「留守児童」の一人だ。

 インターネットゲームが、徐々に村を飲み込もうとしている。村の多くの子どもたちが夢中になり、自分を抑えることができなくなる。これが時代の潮流なのか。このままでは、農村の子どもたちは携帯電話によってどんどんダメになっていく。

「心がドキドキするような刺激が欲しい」

 広東省(Guangdong)のある村に住む中学生の女の子は、記者にそう答えた。ゲームの中でだけ、我を忘れるほど興奮状態になるが、現実に戻るとすべてが平凡で味気なく感じる。「勉強もつまらないし、すべてが退屈」

■スマホを「後払い方式」で入手

 中国の農村地域では、子どもたちが中学校に入学すると、通学距離や安全面などを考慮して、学校の寮などに入ることが多い。学校では、携帯電話の使用は禁止されている。

 教師による抜き打ち寮内検査が行われると、子どもたちは大急ぎで携帯電話をトイレや靴の中などさまざまな場所に隠す。夜の見回り時には、ルームメイトを見張りに立たせる。また寮内に充電場所がなければ、近場の小さな売店まで走って有料で充電してもらう。

 別の貧困地域の農村では、学校の近くの店で生徒向けに携帯電話も販売していた。生徒は後払いで携帯を購入し、生活費からローンのように少しずつ返済するという。