【8月20日 AFP】サモアのツイラエパ・サイレレ・マリエレガオイ(Tuilaepa Sailele Malielegaoi)首相は20日に掲載された地元紙サモア・オブザーバー(Samoa Observer)とのインタビューで、太平洋の島しょ国が共同で中国に債務の帳消しを求めようという呼び掛けを「不誠実」と批判し、拒否していたことを明らかにした。

 近年、南太平洋諸国は中国国有の中国輸出入銀行(China Exim Bank)を通じて巨額の融資を受けており、対中債務についてトンガのアキリシ・ポヒバ(Akalisi Pohiva)首相は先週、各国が返済に行き詰まり、中国政府から国有資産を差し押さえられる可能性もあると懸念を示し、債務の帳消しを中国に要請しようと南太平洋諸国に呼び掛ける考えを表明していた。

 ポヒバ首相は当初、来月ナウル(Nauru)で開かれる太平洋諸島フォーラム(PIF)でこの問題を取り上げるとしていたが、後に撤回。中国による支援を称賛する声明を発表した。

 ツイラエパ首相は債務の帳消し要請について、施しを求めて牛乳を受け取った後に牛一頭丸ごと求めるようなものと例え、「大国が低金利での貸し付けに消極的になる」と指摘。「低金利で融資が行われたものの、5年後には帳消しするよう求められる。恥ずかしいことだ」と語った。(c)AFP