【8月20日 AFP】200万ユーロ(約2億5300万円)相当の仮想通貨ビットコイン(Bitcoin)を、同額の現金手渡しで富豪が買い取ります──取引場所として南仏コートダジュール(Cote d'Azur)の豪華ホテルを指定したその提案は、最初からうさんくさかった。

 しかし、シンガポールを拠点に暗号通貨事業を専門に行う企業を営む韓国人実業家は、この話に乗った。取引は、7月にニース(Nice)のホテルでセルビア人を相手に行われた。

 受け取った500ユーロ(約6万3000円)札がコピー機を使った粗悪な偽札だったことに韓国人実業家が気付いたのは、全てが終わった後だったという。

 AFPの取材に応じた警察によると、韓国人実業家は7月末に被害届を出し、セルビア人の男は南仏カンヌ(Cannes)の高級ホテルで逮捕された。高級車と10万ユーロ(約1300万円)相当の腕時計を所持し、一見したところはぜいたくな暮らし振りだった。

 男の担当弁護士は20日、AFPに対し、男は詐欺と組織犯罪関与の容疑で勾留されていると語った。警察は共犯者とみられる人物を捜索している。

 ビットコインをはじめとする暗号通貨は、不正取引や資金洗浄への利用が問題視されており、最近のブームを受け各国の規制当局が対応に追われている。(c)AFP