【8月19日 AFP】1950~53年の朝鮮戦争(Korean War)などで生き別れになった南北離散家族の再会行事を翌日に控え、韓国側の年老いた参加者たちはほぼ70年ぶりとなる家族との再会に心を躍らせている。

 韓国と北朝鮮の急速な雪解けムードを受けて3年ぶりに開催される再会行事は、20日から3日間の日程で北朝鮮南東部の景勝地、金剛山(Mount Kumgang)で行われる予定。

 朝鮮戦争の混乱で離れ離れになり、休戦後に朝鮮半島が南北に分断されたために、そのまま38度線の南と北で生き別れてしまった親子や夫婦、兄弟姉妹は数百万人いると言われる。

 朝鮮戦争で締結されたのは平和条約ではなく休戦協定であり、韓国と北朝鮮は現在も法的に戦争状態にある。このため、南北の市民のやりとりは家族間のたわいないものでさえ禁止されている。

 離散家族らも高齢化が進み、再会のために残された時間も多くはない。

 韓国側の再会行事参加者の一人、リ・クムソム(Lee Keum-seom)さん(92)は戦争中に生き別れになった71歳の息子との再会を心待ちにしている。

 リさんは家族で避難する際に夫と4歳だった息子を見失い、まだ乳児だった娘だけを連れて船で南側に渡った。その後、韓国で再婚し、7人の子どもを育て上げたリさんだが、北側に残してきた息子のことが常に気掛かりだったという。

 リさんは息子との再会を前に「どんな気持ちなのか、よく分からない。良いのか、そうでないのか、これが現実なのか夢なのかも分からない」とAFPに語った。(c)AFP/Sunghee Hwang