【8月19日 AFP】欧州宇宙機関(ESA)は、地球上の風の動きを観測する衛星「アイオロス(Aeolus)」を21日に南米大陸北部の仏領ギアナ(Guiana)にある宇宙産業大手アリアンスペース(Arianespace)の発射台から打ち上げると発表した。

 ギリシャ神話の風神にちなんで命名されたアイオロス(Aeolus)は直径1.5メートルの大型望遠鏡、超高感度受信機とレーザードップラーライダー「アラジン(Aladin)」を搭載。重量は1260キロ。グリニッジ標準時(GMT)21日午後9時(日本時間22日午前6時)に打ち上げロケット「ベガ(VEGA)」によって高度320キロメートルの軌道に投入され、短期的な天気予報精度の改善と、人為的な気候変動に関するより深い知識を得るミッションに臨む。

 ESAは声明で、気象予報の精度改善には高層風観測における信頼性の高いデータが早急に必要だと説明。中でも熱帯気象の風については直接観測がほとんど行われていないため、情報が不十分な状態だ。

 軌道投入された後のアイオロスは、気象観測所が置かれていない辺境を含め、地球上のあらゆる場所のデータ収集が可能となる。

 アイオロスはアリアンスペースが打ち上げるESAの衛星としては50基目。今回担うミッションはESAによる5番目の地球探査計画だ。ESAは既に完了したものや進行中のミッションで地球の重力、地場、土壌水分、海洋塩分、氷圏などを観測している。(c)AFP