【8月19日 AFP】サッカードイツカップ(German Cup 2018-19)は18日、1回戦が各地で行われ、ブンデスリーガ1部の強豪バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)は4部リーグの小さな町のクラブ、SVドロホターゼン/アッセル(SV Drochtersen/Assel)に苦戦しながら、終盤にロベルト・レワンドフスキ(Robert Lewandowski)が決勝ゴールを挙げて1-0で勝利した。

 ドロホターゼンは、ハンブルク近くの人口わずか1万1500人の同名の町をホームとするクラブで、主将は車の営業マンが務め、税理士や石工がプレーしている。

 チームはこの1回戦を「世紀の一戦」と呼んで試合に備えていた。試合前日、車のショールームにある自身のデスクでインタビューに応じたCBのセーレン・ベールマン(Soeren Behrmann)は、「キックオフが待ち遠しい。私たちにとっては世紀の一戦だ」とコメント。町の教会には「われわれは奇跡を信じる。神を信じる。われわれはD/Aだ」と書かれた垂れ幕がかかった。

 ブンデス王者バイエルンのスーパースターたちは、異世界へ迷い込んだように感じたに違いない。ニコ・コバチ(Niko Kovac)新体制のチームは、フランク・リベリ(Franck Ribery)やアリエン・ロッベン(Arjen Robben)、トーマス・ミュラー(Thomas Mueller)、レワンドフスキら豪華攻撃陣をはじめとする代表経験者11人を先発に並べたが、ドロホターゼンの選手がスター相手に好プレーを見せるたび、スタジアムに詰め掛けた満員の7800人の観客からはすさまじい歓声が上がった。

 前半最大のチャンスもドロホターゼンに訪れ、33分に司令塔のフロリアン・ナーゲル(Florian Nagel)のシュートがドイツ代表守護神マヌエル・ノイアー(Manuel Neuer)を脅かした。フラストレーションをためたロッベンは、42分に危険なタックルでイエローカードをもらった。

 コバチ監督は後半、スピードのあるレオン・ゴレツカ(Leon Goretzka)とキングスレイ・コマン(Kingsley Coman)をそれぞれマッツ・フンメルス(Mats Hummels)とロッベンに代えて投入したが試合は動かず、800キロメートルの距離を遠征してきたバイエルンファンがトイレットペーパーやビーチボールを投げこみ、試合が5分間中断する場面もあった。

 それでもバイエルンは迎えた81分、レワンドフスキがゴレツカのシュートのコースを変えてついに均衡を破り、何とか延長戦に持ち込まれる前に決着をつけた。

 しかし別の会場では、昨季の決勝でバイエルンを破って戴冠を果たしたフランクフルト(Eintracht Frankfurt)が、こちらも4部のSSVウルム1846(SSV Ulm 1846)に1-2で敗れる波乱が起こっている。(c)AFP