【8月18日 AFP】イタリア北部ジェノバ(Genoa)で18日、同市で起きた高速道路の高架橋崩落事故の犠牲者らの合同葬儀が営まれた。だが政府主催の葬儀に反発し、一部の遺族が出席を拒否した。その一方、事故現場では同日、救助隊によってがれきの中から新たな遺体が収容された。

 葬儀の会場となった展示施設には、花や写真で飾られたひつぎが並べられ、大勢の弔問客が訪れた。

 葬儀には主催者としてセルジョ・マッタレッラ(Sergio Mattarella)大統領とジュセッペ・コンテ(Giuseppe Conte)首相も出席。

 会場では、正式に死亡が確認された38人の名前が司祭によって読み上げられると、長い時間にわたって拍手が続き、18日早朝に発見された新たな犠牲者に対しても追悼がささげられた。

 地元メディアの報道によると、現場のがれきに埋まっていた自動車の中から発見されたのは、9歳の女児を含む家族3人の遺体だという。

 だが、半数以上の遺族は葬儀への出席を拒否。密葬を希望する遺族の他、ボイコットを宣言する遺族もいた。

 同国南部ナポリ(Naples)から訪れた際、事故に巻き込まれて亡くなった若者の母親はメディアに対し、「この事態を招いたのは国のせいだ。彼らの顔も見たくない。政治家が繰り出してくるなんて恥ずべきことだ」と語っている。

 やはり息子を失った男性は「息子をイタリアの怠慢による死亡者名簿の単なる一人にはさせない。茶番の葬儀もいらない」とソーシャルメディアで怒りをぶちまけ、自宅で葬儀を営む意向を示している。(c)AFP/Remi BANET with Fanny CARRIER in Rome