【8月18日 AFP】W杯ロシア大会（2018 World Cup）開幕前に、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン（Recep Tayyip Erdogan）大統領と並んで写真撮影をして非難を浴びたイルカイ・ギュンドアン（Ilkay Guendogan）は、メスト・エジル（Mesut Ozil）にならって代表引退はせず、ドイツ代表としてプレーし続けたいと明かした。

　ファンから今後の夢について聞かれたギュンドアンは、「欧州チャンピオンズリーグ（UEFA Champions League）で優勝すること。そして、少なくとも一つは代表チームでタイトルを獲得したい」とインスタグラム（Instagram）に記した。

　27歳のギュンドアンは、28歳のトニ・クロース（Toni Kroos）や31歳のサミ・ケディラ（Sami Khedira）に続き今後も代表でプレーする意思を明らかにし、惨敗を味わったW杯での借りを返したいと考えている。

　ともにトルコ系の両親の下にドイツで生まれたギュンドアンとエジルは、英ロンドンでエルドアン大統領と対面すると、W杯の開幕直前に自分たちが政治的な騒動の中心にいることを思い知らされた。

　イングランド・プレミアリーグで活躍する二人は、W杯に向けたメンバーが発表される前の5月にエルドアン大統領と並んで写真を撮影。ギュンドアンはマンチェスター・シティ（Manchester City）のユニホームに「私の大統領へ」とサインし、それをエルドアン大統領に贈呈した。

　この対面が発覚したことにより両選手のドイツ代表に対する忠誠心が疑問視され、W杯の直前でありながらドイツ国内では人種の融和に関する激しい議論が起こっていた。

　エジルが当初この件について沈黙を貫いていた一方で、ギュンドアンはエルドアン大統領との面会は政治的に動機づけられたものではないと主張していたが、W杯前の国際親善試合で両選手はファンからブーイングを浴びせられた。

　ロシアに出発する前に行われたサウジアラビアとの試合で途中出場したギュンドアンは観客からブーイングを受け、その後ロッカールームで涙を流していたとも伝えられている。

　他の選手たち同様、エジルとギュンドアンはロシアの地で苦しみ、W杯ブラジル大会（2014 World Cup）で優勝したドイツは、グループステージの最下位に沈み大会から姿を消した。

　アーセナル（Arsenal）に所属する29歳のエジルは7月22日、W杯での惨敗に続く形で沈黙を破り、声明文でドイツサッカー連盟（DFB）のラインハルト・グリンデル（Reinhard Grindel）会長を「人種差別的」と批判し、代表チームからの引退を発表した。

　W杯終了後、ヨアヒム・レーブ（Joachim Loew）監督は、9月に控えるUEFAネーションズリーグ（UEFA Nations League 2018-19）のフランス戦と国際親善試合のペルー戦に向けた代表メンバーを発表する際、全面的な刷新を行うと約束している。(c)AFP