【8月18日 AFP】パキスタンで7月に行われた国民議会(下院)総選挙で勝利したパキスタン正義運動(PTI)の党首で、クリケットの元スター選手イムラン・カーン(Imran Khan)氏が17日、首相に選出された。議会で演説を行ったカーン氏は、責任と繁栄の新たな時代を築くと宣言した。

 7月25日投票の総選挙では軍の介入と票の操作があったと取り沙汰されているが、カーン氏は下院の首相指名投票で過半数の賛成を獲得し、首相に選出された。

 その後、議会で演説を行ったカーン氏は、「22年にわたる奮闘を経て、私はここにいる。どの独裁者も私を大切に扱わなかった。私はこの議会に自分の足で立っている」と述べ、軍がカーン氏に有利になるよう選挙を操作したと広く指摘されていることに対して、暗に自己弁護した。

 総選挙では選挙運動中から、カーン氏寄りの軍が前与党のパキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N)に不利になるよう介入したとの非難が上がっており、「パキスタンで最も汚れた選挙」との烙印(らくいん)が押されている。

 パキスタンが優勝した1992年のクリケットのワールドカップ(W杯)で主将を務めていたカーン氏は、総選挙で勝利したものの単独過半数は獲得できず、少数政党や無所属議員と交渉の末に連立合意を取り付けた。

 野党は選挙で「露骨な」不正があったと主張しており、17日にカーン氏が首相に選出された際には野党議員らが議会で抗議の声を上げるなど、騒然とする場面もあった。(c)AFP/Sajjad TARAKZAI