【8月17日 CNS】中国のオンラインの旅行会社が、オフラインの実店舗と組み合わせた「ニューリテール」に一段と力を入れている。携程(シートリップ、Ctrip)がこのほど発表した数字によると、実店舗の一日当たりの成約額が7000万元(約11億3000万円)を突破した。実店舗の顧客の80%は新規顧客だという。

 シートリップの創業者で執行董事会の梁建章(James Liang)主席は最近、幾つかの都市の実店舗を回り、オフラインの実店舗にはまだ非常に大きな商機があり、今後は地方都市への布石を強化すると表明した。

 夏休みの旅行シーズンの到来に伴い、家族旅行、修学旅行、避暑旅行など旅行社の店舗も客が絶えない。シートリップの旅遊ルート事業部によると、昨年の夏休み期間のピーク値に比べ60%を超える成長率となったという。

 今年開業した重慶渝中区洪崖洞(Hongyadong)の店舗は、7月に71万元(約1140万円)の成約を計上した。ほかの店舗と異なるのは、インターネットで話題になった名所の中に位置する点だ。同店の顧客の80%は全国各地から重慶に訪れた旅行客で、同社のサービスを知っていたために店に立ち寄り、名所の入場券や日帰りツアーなどの情報を集めに来たのだ。

 この種の店舗を、同社は「目的地店舗」と称し、全国の各観光都市に展開している。また、地元顧客のための「出発地店舗」と呼ばれる実店舗も同時展開している。

 梁主席は「観光客が現地でサービスを求めるケースでは、大きな需要があるにもかかわらず十分なサービスを提供できていない。繁華街や観光名所の中にある実店舗は、ブランドの優れた宣伝拠点とも言える。全国の地方都市でモデル店舗を展開し、新規顧客を吸収したい」としている。

 携程旅遊ルート事業部の張力(Zhang Li)総経理は、「『携程旅游』など三大ブランドを含め、全国各地ですでに7000超の店舗を展開済みで、目標は今年の末までに8000店舗の実現だ」と語った。(c)CNS/JCM/AFPBB News