【8月17日 AFP】国際テニス連盟(ITF)は16日、米フロリダ州のオーランド(Orlando)で総会を開き、デビスカップ(Davis Cup)の改革案を承認した。118年の歴史を持つ男子の国別対抗戦は見直され、18か国による1週間の集中開催となるが、大会の姿を一変させる抜本的な改革に、テニス界にとっての「暗黒の日」と批判の声も上がっている。

 改革案の承認には総会で3分の2以上の支持が必要とされていたが、結果的に71.43パーセントの賛成票を集めた。ITFのデビッド・ハガティ(David Haggerty)会長は、「とても満足している。今回の案がデビスカップに危機をもたらすことはないと」とコメントした。

 サッカースペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)に所属するジェラール・ピケ(Gerard Pique)氏が、中国と日本の支援を受けて設立した投資グループ「コスモス(Kosmos)」は、新フォーマットの大会に25年間で30億ドル(約3330億円)を投じる。2019年大会は11月18日から24日にかけて欧州で開催され、スペイン・マドリードかフランス・リール(Lille)が候補地だと報じられている。開催地は8月下旬に発表される。

 ピケ氏は「デビスカップはポテンシャルを生かし切れていなかったと思う。われわれはこの大会を再びテニス界の頂点に戻さなければならなかった。われわれはそれを求めている」と話す。

「連盟や選手とともにやるべき仕事がたくさんある。選手が何を求めているのか知りたいし、可能な限り最高のものにしたい」

 現行の大会は2月、7月、9月、11月に試合が行われ、5試合中3試合で勝利したチームが次のラウンドに勝ち進む。近年は厳しい日程を回避するためトップ選手の多くが欠場しているが、これを阻止するため改革後の大会はシーズンオフの11月に開催される。

 大会には2月に行われる24か国による予選ラウンドで勝利した12か国、前年準決勝入りした4か国、そしてワイルドカードを獲得した2か国の計18か国が出場する。6グループに分かれた3か国が総当り戦を行い、各グループの1位と2位に入ったうちの2か国がその週の金曜日から日曜日にかけて行われる決勝トーナメントに進む。試合はシングルス2試合、ダブルス1試合で構成され、それぞれ3セットマッチとなる。

 改革案は「デビスカップの死」だとして批判の声も上がっており、英国、ドイツ、オーストラリアなどが反対票を投じた。

 チェコ代表はフェイスブック(Facebook)ページに、「きょうはデビスカップにとって暗黒の一日だ。偉大な伝統が失われ、それは二度と同じものにはならない。デビスカップがかつての姿を失うことを残念に思う」とコメントを掲載している。(c)AFP/Jim SLATER