【8月17日 AFP】インド南部ケララ(Kerala)州を襲っている洪水で、同州の災害管理当局は16日、AFPの取材に対し、死者が106人に達し、15万人近くが避難所に身を寄せていることを明らかにした。

 被災地では数百人の兵士が懸命の救助活動に当たり、屋根に取り残された被災者をヘリコプターで搬送するなどの活動を続けているが、絶えず降り注ぐ大雨により新たな被害が発生。34か所のダムや貯水池で水位が危険な高さまで上昇し、政府から放流指示が出された。また、主要都市コーチ(Kochi)の国際空港は26日まで閉鎖が命じられた。

 ケララ州は、べカル(Bekal)などのビーチリゾートで知られる国際的な観光地。モンスーンで損害が出るのは毎年のことだが、今年の被害は過去100年近くで最悪の規模となった。報道によれば、各地で土砂崩れが発生しているほか、河川の氾濫で多くの村が洪水被害に見舞われ、さらに30人が死亡した恐れがある。

 ピナライ・ビジャヤン(Pinarayi Vijayan)州首相は、さらなる降水が予想される中、ケララ州は「極めて重大」な危機に直面していると指摘。ダム80基が危険水位に達していると述べ、避難命令を無視しないよう住民に呼び掛けた。

 洪水被害はカルナタカ(Karnataka)州やマディヤプラデシュ(Madhya Pradesh)州でも発生しており、マディヤプラデシュ州の人気キャンプ地では、川の水位が急激に上昇し、8人が流される事故も起きた。(c)AFP