【8月16日 AFP】(写真追加)先史時代の集落から墳丘墓、鉄器・青銅器時代やローマ時代の農園まで──今夏の熱波と干ばつの影響で、これまで野原や畑に隠されていた未知の遺跡や遺構が英国各地で次々と発見されている。歴史的建造物の保全を担う英公共団体「ヒストリック・イングランド(Historic England)」が15日、発表した。

 上空から撮影した写真には、地下に埋まった遺構が模様となって地表に浮き出た「クロップマーク」がはっきりと写っている。

 イングランド中部ミルトンキーンズ(Milton Keynes)近郊では、新石器時代の建造物の遺構が新たに見つかった。2つ並んだ長方形の遺構は、周りを小道か通路に囲まれていたと考えられる。紀元前3600年前~同3000年前の建造物に見られる特徴だ。2つの遺構の片方は以前から確認されていたが、もう一方は今まで盛り土の下に隠れていたものが今年になり、次第にあらわになってきた。

 南西部コーンワル(Cornwall)州でも、円形の堀を巡らした鉄器時代の環濠(かんごう)集落の遺構など、複数の遺跡が見つかっている。

 古代の堀や土塁が埋まっている土地は、そうでない土壌よりも水分を多く含み、地表の植物がよく育つ。そのため干ばつのときには、その部分だけ青々とした草が残る。一方、古代の石壁などの遺構が地下にあると植物は育ちにくく、雨がしばらく降らないと茶色く枯れてしまうことが多い。そのため、いずれも上空から見ると、地下に埋まった遺構の形状がくっきりと描き出される。

「長引く猛暑によってクロップマークがより鮮明に浮かび上がり、われわれの航空考古学チームが『地下を観察する』のに絶好の状態が生じた」と、ヒストリック・イングランドのダンカン・ウィルソン(Duncan Wilson)会長は指摘。「異常気象のおかげで、1か所や2か所だけでなく全国でいっぺんにこれほど多くの遺構を目の当たりにできた。非常に興味深い」と語った。(c)AFP