【8月15日 AFP】米ペンシルベニア州のカトリック教会で300人以上の司祭が児童を性的に虐待したという信頼できる申し立てがあり、カトリック教会が長年隠蔽(いんぺい)してきた1000人を超える被害者が特定された。14日の大陪審の報告書で明らかになった。

 報告書はペンシルベニア州のカトリック全8教区のうち6教区における児童の性的虐待について、目撃者数十人の証言と約50万ページの教会内部文書に基づいてまとめられた。これまでで最も包括的な内容とされているが、新たに起訴できる事例の件数は今のところ明らかになっていない。

 大陪審は記録が消失した、または名乗り出る勇気のない子どもがいることを考慮すると実際の被害者は「数千人」規模と推定している。

 教会の隠蔽により、ほぼすべての虐待事例は時効により起訴できないが、報告書はこの10年間に少なくとも2人の司祭が児童を性的に虐待したとしている。報告書によると被害者の大部分は少年で、多くは思春期前だった。アルコールやポルノで操られた例もあるという。(c)AFP