【8月15日 東方新報】経済誌「フォーブス(Forbes)」中国版はこのほど、2018年版『30歳以下の精鋭30人』リストを発表し、600人の若者が選ばれた。エネルギー・環境保護分野のリストに名を連ねた重慶(Chongqing)の青年、楊剣南(Yang Jiannan)氏(24)は、同分野中で最年少だ。電力消費を最適化するプラットフォーム「伏特猫(ボルト猫、Voltmao)」を率いる。

 どんな成功も、一朝一夕にできるものではない。

 それにしても、楊氏の話はくどい。人と分かち合いたい気持ちが強いのだ。話をもうやめてくれという従業員も少なくない。友人の中には、話を分かち合うのはうれしいが、何を言っているのか理解できないことがままあるという。

「我慢強い対応に感謝している」と楊氏。「初めての顧客は、九龍坡区(Jiulongpo)金鳳工業団地の企業だった。チームを引き連れてプレゼンをやったが、最初は詐欺師と疑われた。

 5回目に行った時に、相手はようやく何を言っているのか分かってくれた。我慢強く聞いてくれたおかげで、顧客はこちらの言うことを理解し、ビジネスの機会を与えてくれた。現在、その企業のために毎月4万元(約64万円)の電気料金を節約し続けている」

 中国国家発展改革委員会は14年に、電力需要側の改革を進める文書を発表。プラットフォームの運用を加速させることでユーザー側の電力コストを節減するよう求めた。これにより、電気エネルギーサービスの発展の商機が提供され、楊氏は「このチャンスをつかまねば」と思ったという。

■契機はアリババ主催の起業家養成プログラム

 出資をしてもよいという投資家はいた。一緒にやりたいというクラスメートもいた。「ボルト猫」は少しずつ前進した。だが、自分の目標に比べはるかに遠く、真の起業とはまだ大きな距離があった。

 後に、楊氏は阿里巴巴(アリババ、Alibaba)が主催する「世界の夢想家」というプログラムに参加。ジャック・マー(Jack Ma)氏が若いころの自分と同じように理想を持って真剣な若者のために設立したもので、全世界の有名校から30人の学生と起業家が集まっていた。